肥満
検査結果が悪いからといって必ずしも病気が潜んでいるとは限りません。精密検査の指示のある方は必ず医療機関にご相談ください。
また、検査項目は関連性がありますので単独の検査項目だけでなく、他の検査結果と合わせてご覧ください。
検査からわかること
BMIは体格をみるもので、脂肪の過剰な蓄積を評価します。
検査項目 | 基準値 | 評価の仕方 |
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BMI | ~24.9 | 身長と体重で以下のように計算します。
BMI 22の時が一番病気の少ない体格といわれています。 |
肥満はただ脂肪をためすぎているということだけではありません。 脂肪細胞に脂肪が過剰にたまることで脂肪細胞から高血圧・糖尿病・脂質異常や、 動脈硬化などを引き起こすホルモンがでて、脳梗塞や心筋梗塞、腎不全などを引き起こす危険が高くなることがわかっています。特に内臓脂肪が過剰にたまると動脈硬化を抑えるホルモンが減り、糖尿病や高血糖を引き起こすホルモンが増えるため動脈硬化を促進させます。
内臓脂肪の評価のしかたは?
内臓脂肪は、おへその位置でのCT検査でみます。内臓脂肪の面積が100㎠を超えると健康障害を起こしやすいといわれています。この内臓脂肪面積は腹囲と相関があるため、内臓脂肪の蓄積をより簡単に集団健診で活用できる評価方法として腹囲測定が広く実施されています。
検査項目 | 基準値 | 評価の仕方 |
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腹囲 | 男:85㎝未満 女:90㎝未満 |
【腹囲の測り方】 ●正しい測定部位 おへその位置で水平に測ります(おへそが下を向いている方は腰骨(こしぼね)と肋骨(ろっこつ)の中間で水平に測ります) ●測定方法と注意点 食後は誤差があるため空腹時がのぞましいとされています ① 足を肩幅に開いて立ちます ② 両腕を自然にたらしてリラックスします ③ 息を吸って、軽く吐いた時に測ります ④ メジャーがきつくくい込まないように注意してください |
20歳頃にはからだの成長が完成し、皮下脂肪の脂肪細胞も数が決まります。
20歳の体重の10~15%までが皮下脂肪へためる限界です。 皮下脂肪にためきれない脂肪は肝臓や腸など内臓の周りにたまります。 体重増加を20歳の体重の10%増加までに抑えることが大切です。若い頃からやせていた方は標準体重ではなく、20歳の体重を目安に体重を維持することが必要となります。
肥満にならないための工夫は?
- ◉現在食べている食事の量を減らす。
- とくに、間食などのお菓子やアルコールなどの嗜好品や、 ご飯などの主食、脂肪を多く含むおかず(肉類や揚げ物など)などを控えましょう。
- ◉食物繊維をたっぷりとる。
- 食物繊維の多い野菜などは、しっかり噛むことで満腹感が得られて、食欲が抑えられます。
また、過剰な脂肪などの吸収を抑えてくれる働きもあります。 - ◉運動で脂肪を燃やす。
- 運動は内臓脂肪の改善に効果的です。激しい運動でなくても、少しでも普段の生活の中で動きを増やす工夫が大切です。