子宮・乳房
検査結果が悪いからといって必ずしも病気が潜んでいるとは限りません。精密検査の指示のある方は必ず医療機関にご相談ください。
また、検査項目は関連性がありますので単独の検査項目だけでなく、他の検査結果と合わせてご覧ください。
婦人科(細胞診・内診)検査からわかること
婦人科とは子宮・卵巣、膣といった生殖器の異常を調べる検査です。
細胞診
主にがんの発見を目的とし、子宮がんの発生しやすい部位を綿棒で軽くこすり、その部分の細胞を採取します。その後、採れた細胞の形・ 変化の様子を顕微鏡で観察する検査です。がんのみではなく、感染症などがわかることもあります。
子宮頸癌細胞診検査結果(ベセスダシステム分類)について
子宮頸部細胞診検査の結果報告のための分類システムです。1998年に、従来使用されていたババニコロウ分類(クラス分類、日母分類)やCIN分類など数種類の分類を統一して作られた国際標準分類です。平成25年度より日本産婦人科医会でも使用をはじめています。細胞診検査結果で「陰性」・「NILM」以外の結果が出た場合は、精密検査が必要です。ただし、「陰性」・「HILM」の結果には癌以外の良性病変が含まれている場合があります。また、子宮頸部細胞診検査では、子宮頸部以外の癌(子宮体部癌・卵巣癌・卵管癌など)の判定は困難です。
内診
性器の外見、大きさ、形などの異常がないかを器具を使ったり、触診で調べます。
子宮筋腫(子宮にボール状のこぶのようなのもができ、月経過多に伴う貧血などの 症状がある場合がある)や子宮内膜症(本来は子宮の中にある子宮内膜が、子宮以外の場所にできるもの)などの子宮の異常や、卵巣腫瘍(卵巣がはれる)などがわかります。
乳房(触診・乳房エコー・マンモグラフィ)検査からわかること
なにがわかるの?
主に乳がんの発見を目的とし、その他に良性の繊維腺腫(良性のしこり)、のう胞(乳腺の中に水が溜まった部分があるもの)などの乳房の異常を調べる検査です。
乳がんは、食生活やライフスタイルの変化に伴う女性ホルモンのバランスの変化により、近年増加傾向にあります。発生率は30歳代後半から急激に増え始め、40歳代後半にピークを迎えます。初経が早い人、閉経が遅い人、初産が30歳以上の人などは、発生率が高くなります。
乳がんは早期に発見できれば90%以上は完全に治すことができますので、30歳代からぜひ定期的に検査を受けることをお勧めします。
触診
目で見たり手で触れながら、色や形・くぼみの有無・しこりの有無・分泌物の様子などを確認します。
乳房エコー
乳房に超音波(耳では聞き取れない高さの音)を当て乳房の写真を撮り、その色の濃淡より乳房の変化をみる検査です。がんとの区別の難しい乳腺症や、のう胞の診断にも有効です。また超音波を使うため、痛みや害がなく何度でも受けられます。
20〜30歳代の方には乳房エコーが適していると言われます。
マンモグラフィ
乳房専用の装置で乳房をはさみ、X線をあてレントゲン写真を撮ります。
触診では分かりにくい、小さくて早期の変化も発見することができます。若く乳腺の発達している方の場合は、病気による変化との判断が難しいため、マンモグラフィは40歳以上の方に適していると言われます。